蝉日記。 頑張ってる人に届け声!十六。

「もしね、小学生くらいから人生やり直せるなら、こう言う事考えるの自体が後悔してる人生って事だけど、僕はもし、やり直せるならもう、中学校に入っても不良になんてならないで、これは嘘でなく本心で、冗談でも無い、一生懸命勉強してさ、高校行って大学だって行きたい。そしてきちんとした会社に入って会社員になりたい。正しく生きてみたい。それかさ中学校くらいから何か一つ、自分のやりたい事見つけて、何か一つだけ誰にも負けない、自分の好きな道、全てをかけられる事見つけて、それは歌、作って歌うとか、拳闘必死にやるとか何か一つの事に必死になってみたい。他の誰にも負けない力を一つだけ持つ男になってみたい。だけどそれは小学生くらいから人生がやり直せるならの話しで、今からなら、現在からならもう、別にどうでもよい。誰もが子供時代に戻って小学生くらいから人生生き直してみたい。そう想ってると思う。だけど、無理で、もう、戻れないんだ。まだたった十六年だけど、もう先なんて、未来なんて無いって言うか、どうでもよいって思える。それが本音だ。」

 僕はこれ今になって、ただ、努力もしないのに何かが欲しくて欲しくて、でも、手に入らないのは当然で、それに逆切れしてる甘えた自分だったと感じる。

 続けて、言った。

 「今までの人生を後悔はしているよ。小学生からやり直せるなら、あなたの言う様な優等生、親が望む様な人間になってやる。あなた、何でも僕の事解ってるみたいなこと言うけど、僕の何を解ってるの、知ってるの。あなたがさっき僕に言ったこと、僕以外の何人の不良少年に言ってきたんだよ、同じ事。みんなに同じ事言ってんだろ。しかも僕のこと心から心配してるって言葉、言ってさ。いつまでも自己満足していろよ。自分の中にある少しだけ残った良心、気持ち良いんだろ。」

 最後の方は逆切れだった。弱い、弱いよね。今にして想えば、何て弱くて幼い自分だったんだろう。

 そして僕はいつも反抗してしまう。それをしたら損をするって解っているところでもしてしまう。

 今までもそうだった。教室でも、家庭でも、職場でも、警察署でも。

 そして本当は解っていた。僕の言っている事は間違いだって。違うって。ただの甘えだって。そんなものではないはずだって。